梨の日
「梨の日」は七(な)四(し)で「なし」の語呂合せで、鳥取県東郷町(現 湯梨浜町)の「東郷町二十世紀梨を大切にする町づくり委員会」が2004年に制定しました。
梨は7月頃から少しずつ出回るようになってきて、8月から9月にはには多くの梨が出回るようになります。
日本で主に食べられている梨は、「二十世紀梨」を代表とする青梨以外にも赤梨というものがあり、茶色い見た目をしている赤梨では「豊水」や「幸水」といった品種がこれにあたります。
果物には時間を経て熟した方が美味しいとされるものもありますが、梨は甘くなることは無いので買った直後が食べごろです。
ゴミ捨て場で生まれた「二十世紀梨」
“梨”とはバラ科ナシ属の植物、もしくはその果実のことであり、主なものとして、和なし(日本なし)、中国なし、洋なし(西洋なし)の3つがあり、食用として世界中で栽培され ています。
日本語で単に“梨”と言うと通常はこのうちの和なしを指すものです。
“梨”の語源には諸説がありますが、江戸時代の学者新井白石は中心部ほど酸味が強いことから“中酸(なす)”が転じたものと述べており、他には以下のような説があります。
・果肉が白いことから“中白(なかしろ)”あるいは“色なし”
・風があると実らないため“風なし”
・“甘し(あまし)”
・“性白実(ねしろみ)”
・漢語の“梨子(らいし)”の転じたもの
また、“梨”という名前は“無し”に通じることからこれを忌んで、家の庭に植えることを避けたり、“ありのみ(有りの実)”という反対の意味を持たせた呼称が用いられることがあります(忌み言葉)。
しかし、逆に“無し”という意味を用いて、盗難に遭わぬよう家の建材に梨を用いて“何も無し”、鬼門の方角に梨を植えることで“鬼門無し”などと、縁起の良い利用法も存在しています。
手紙を出しても返事のないことを“梨の礫(つぶて)”といいますが、“梨”に“無し”を掛けた言葉となります。
よって“無しの礫”と表記することは、意味の上では合っているのだが誤記になるのです。
“梨”には、水分と食物繊維、カリウム、アスパラギン酸が多く含まれています。
・水分と食物繊維→→便秘予防に効果的
・カリウム→利尿作用・体のほてり・のぼせ・口の渇きを癒す
・アルギン酸→たんぱく質を分解してくれる酵素が含まれる→夏バテ防止に効果的
文献に“梨は大小の便を利し、熱を去り、渇きを止め、痰や酒毒を解す”と書かれているそうです。
このように、心臓病・糖尿病・腎臓病・体内に塩分をためこむ病気の高血圧に効き目があるとされます。
“二十世紀梨”は青梨の代表品種の1つで、鳥取県の特産としても有名です。
大きさは300gくらいで果皮は黄緑色、甘みの中にさわやかな酸味を持ち、やわらかな果肉は果汁を多く含んでいて食味に優れています。
“二十世紀梨”の歴史は古く、1888(明治21)年に千葉県松戸市で発見されたのが始まりです。
当時13歳だった松戸覚之助氏が近くに住む親類である石井佐平のゴミ捨て場に生えていた小さな梨の木を偶然発見、自宅の農園の片隅に移植し育てたところ10年後に結実、とてもおいしい青梨ができました。
最初は“新太白”と命名され各地の品評会で優秀賞を収めるなど、評判を呼び急速に普及し、後に“二十世紀梨”と改名されました。
従来の梨と全く違い、皮が薄くて柔らかいこの梨は、“二十世紀に王座をなす梨になるだろう”との願いを込めて命名されたのだとも言われています。
松戸覚之助氏の育てた二十世紀梨の原木は、昭和10年に天然記念物に指定されていましたが、大戦で焼かれ1947(昭和22年)年に59年の樹齢をもって枯死し今は記念碑だけが残っています。
なお明治37年、松戸覚之助氏の農園である“錦果園”から、鳥取県に渡った苗木10本の内3本はまだ現存し“とっとり出会いの森”内にその姿を見ることが出来るそうです。
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