下水道の日

イメージ_マンホール

「下水道の日」は建設省(現在の国土交通省)が1961年に「全国下水道促進デー」として制定し2001年に「下水道の日」に変更しました。

この頃が立春から数えて220日目ごろで台風のよく来襲する時期と言われており、浸水対策を役割の一つとして担う下水道を広くアピールするのに最適であることからこの時期が選ばれたようです。

下水道の整備の促進について、人々の理解と協力を呼びかける為に、前後一週間にさまざまな行事が行われます。

マンホールが丸い理由

“下水道”とは、主に都市部の雨水および汚水を、地下水路などで集めた後に公共用水域へ排出するための施設・設備の集合体で多くは浄化などの水処理を行います。

雨水としては、気象学における降水および、いったん降り積もった雪が気温の上昇などで融けた融雪水も含みますが、いずれも路面など地表にあるものが対象で、河川水や地下水となったものは除かれます。

汚水としては、水洗式便所からの屎尿や、家庭における調理・洗濯で生じる生活排水と、商店やホテル・町工場から大工場にいたる事業場からの産業排水(耕作は除く)などがあります

世界で最も古い下水道は、今から約4,000年ほど前に古代インドの都市(モヘンジョ・ダロ)で作られたものだとされています。

ここでつくられた下水道はレンガでできており、各戸で使い終わった水を集めて、川に流す役目を担い、その後は地中海沿岸の都市や古代エジプト、古代ローマなどでも下水道が作られました。

中世にはいると、ヨーロッパでは屎尿を農作物の肥料として用いるようになり、農耕の発展をもたらしましたが、都市人口の増加に伴って汚物が街路に投棄されるようになり、都市の衛生状態は悪化、ペスト等の伝染病が流行したものの、下水道施設の本格的整備をするには至りませんでした。

産業革命以後、人々がさらに都市に集中するようになると、し尿の処理に困り、し尿が道路や庭に投げ捨てられるようになったため、都市は深刻な不衛生状態になり、19世紀には各地でコレラなどの伝染病が流行します。

そこで、イギリスの首都ロンドンでは1855年から下水道工事に着手し、それまでテムズ川に直接流していた下水を、下水道を通して市街地より下流で流すようにしました。

また、ヨーロッパ各国やアメリカなどでも下水道工事に着手するようになりました。

日本では昔からし尿を農作物の肥料として用いており、ヨーロッパのように屎尿を直接川に流したり、道路に捨てるということはありませんでした。 

しかし、明治時代になって人々が東京などの都市に集まるようになると、大雨によって家が水に浸かったり、低地に流れないで溜まったままの汚水が原因で、伝染病が流行してしまいます。

そこで、1884(明治17)年に日本ではじめての下水道が東京で作られましたが、その後、いくつかの都市で下水道が作られたものの全国に普及することにはなりませんでした。 

本格的に下水道が整備されるようになったのは、第二次世界大戦後、産業が急速に発展して都市への人口の集中が進んでからのことです。

また、産業の発展に伴い1955(昭和30)年頃から、工場等の排水によって河川や湖沼などの公共用水域の水質汚濁が顕著となったため、昭和45年の下水道法の改正により、下水道は町の中を清潔にするだけでなく、公共用水域の水質保全という重要な役割を担うようになったのです。

そして下水道を管理、維持するためには人が入らなければいけないこともあり、そのための穴が“マンホール”となります。

マンホールの蓋には円形と角形がありますが円形が多く採用される理由として、以下が指摘されています。

・円は定幅図形であるため、四角形や三角形と違って蓋がずれても穴に落ちてしまうことがないから

・自動車などの重い物が載った時でも、圧力が分散されて割れにくく、もし蓋が外れた場合でも他の形のマンホールであれば、鋭い角の部分が後に通過する他の自動車のタイヤをパンクさせてしまう恐れがあるが、丸い形には角が無いため

・円筒状の穴は掘るのが容易であり、マンホール開口部の丸い形状は、それを囲む地面の圧力に対して最も効率的な形状であるため、その丸い開口部の蓋が丸い様相を帯びるのは自然であるから

・丸型の鋳造は水平の型押しロール機を使用して機械切断するのがより簡単だから

・丸型の蓋は丸いマンホール穴に対して、うまくはまるように回転させる必要が無いから

・丸い形状なら簡単に転がして移動できるから

などがありますが明確な理由は不明だそうです。

近年ではご当地の観光地やアニメのデザインが施されたマンホールも登場しており、見た目で楽しませてくれますが盗難の被害も出ています。

老朽化などで撤去したマンホールの蓋を廃棄せずに販売している自治体もありますので、どうしても欲しい方は探してみてはいかがでしょうか。

 


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