接着の日
「接着の日」は「く(9)っつく(29)」の語呂合わせで、日本接着剤工業会が制定しました。
日本接着剤工業会によるとこの日を「接着剤についてより知ってもらい、接着剤の機能や技術、役割などの情報提供、接着剤業界を活性化する」ということが目的のようです。
瞬間接着剤は治療用に開発されたもの
“接着剤”とは、物と物をつなぐ(接着)ために使われる物質で、塗料やラミネート・シーリング材なども、片面を接着するという機能から接着剤の一種に含まれることがあり、なお日本では家庭用品品質表示法の適用対象とされており雑貨工業品品質表示規程に定めがあります。
接着剤の歴史は古く、人間が道具を使い始めた頃に始まりました。
石器時代、黒曜石などで作られた鏃(やじり)を木の枝に固定するためにアスファルトが使われ、また漆を使って修理された約6000年前の土器も見つかっています。
古代のバビロニアでも彫像の眼を固定するためにアスファルトが使われ、古代エジプトでは棺や家具・パピルスなどを接着するためににかわが広く使われており、旧約聖書にはバベルの塔の煉瓦接着やノアの方舟の防水処理用にアスファルトが使われたと書かれているそうです。
中世になると接着剤は建築や木工といった分野で多く使われるようになります。
12世紀頃のモンゴルで作られた弩は、動物の骨を薄く削った板を複数枚重ねてにかわで接着したもので、現代の集成材の原型といえるかもしれません。
古代から使われていた漆喰は石垣や煉瓦建築においてよく用いられ、デンプンのりは日本の寝殿造で使われた襖や障子を作る時に利用されてきました。
接着剤の大量生産は18世紀のオランダに建設されたにかわ製造工場によって始まり、それ以後は天然ゴム・デンプン・カゼインなどの天然系接着剤が各国で製造され始めます。
20世紀に入ると合成系接着剤が続々と登場し、1915年に初の合成樹脂のひとつフェノール樹脂を積層板製造時に接着剤として使用された事を皮切りに化学工業の発展に伴って接着剤も開発され、1940年前後にはエポキシ樹脂系接着剤が金属接合に使われ始めました。
それ以後は様々な種類の接着剤がいろいろな用途に使われるようになります。
中でも“瞬間接着剤”は日常生活に近い接着剤のひとつかもしれません。
有名なものといえば“アロンアルファ”ですが、これは接着は接着ですがものではなく実は傷口を塞ぐために開発されたものになります。
ベトナム戦争等で重宝され、傷を塞ぐ応急処置として戦場の医療現場では大活躍だったようです。
ですがいわゆる工業用の瞬間接着剤で傷口を塞ぐのはやってはいけません。
瞬間的に塞ぐので手作業はすぐに行えますが治癒を目的とするならば逆効果であり、菌を閉じ込めてしまい炎症を起こしてしまうケースも考えられます。
アロンアルファ自体は体に無害な成分でできていますが、開発元からも使用しないよう呼びかけており、どうしてもの場合でも医療用に作られたものや液状絆創膏を使うようにと発表しています。
いずれにせよ治癒を目的とするのであればワセリンなどで代用して、患部を清潔に保っておくことが大事とのことです。
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