柿の日
「柿の日」は1895(明治28)年のこの日に俳人・正岡子規が「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の句を詠んだことが由来で、2005(平成17)年に全国果樹研究連合会が制定しました。
地域によって多少のバラつきはあるものの、この時期が柿の旬であることも関係しています。
全国果樹研究連合会によると「全国規模で柿をPRし、柿の消費を拡大したり、販売を促進する」という事を目的としているそうです。
甘柿と渋柿の違い
“柿”はカキノキ科の1種の落葉樹のことで、東アジアの固有種、特に長江流域に自生しています。
熟した果実は食用とされ幹は家具材として、葉は茶の代わりとして加工され飲まれることもあるようです。
果実はタンニンを多く含み、柿渋は防腐剤として用いられます。
現在では世界中の温暖な地域(渋柿は寒冷地)で果樹として栽培されており、黒色の縞や柄が生じ部分的に黒色となったものはクロガキと呼ばれて珍重されますが、産出量が極めて少なく銘木中の銘木です。
他の果物に比べて消費が少なく、農村の過疎化や高齢化などで取られないまま放置される柿の実が増えており、これらがニホンザルやニホンジカなどの野生動物の餌になっているという指摘があります。
人と野生動物が近くなりすぎるのは環境としてあまり良くはなく、特にツキノワグマは柿の実に惹きつけられて人里に出没するというケースもあるようです。
柿には甘柿と渋柿がありますが、甘柿は渋柿の突然変異種であり実は日本特産の品種になります。
よって甘柿の歴史は渋柿に比べて浅く、品種も少ないのです。
一般に甘柿は成熟すると樹上で果実の渋が抜けますが、渋柿は完全に軟化するまで渋いままになり、これは果肉にできる“タンニン”という成分が関係しています。
この渋み成分であるタンニンが口の中で溶けると渋みを感じてしまい、溶けなければ甘く感じるのです。
つまり、甘柿は熟すと水溶性だったタンニンが不溶性に変わり、食べても渋みを感じないようになります。
見分け方としては表面に出てくる黒い部分、俗にいうゴマで見分ける事ができ、このゴマのような黒い点が不溶性に変わったタンニンですので、ゴマのある柿は甘いものという判断ができます。
渋柿でも過熟して、いわゆる熟柿(じゅくし)になると渋が抜けます。
アルコールや炭酸ガスを使って処理することで、タンニンを可溶性から不溶性に変化させるのです。
また、干し柿にする事でも自然と渋が抜けます。
甘柿と渋柿の見分け方としては主に見た目で見分ける事ができ、甘柿は四角いボリュームのある形状を、渋柿は先端が尖った形状をしていることが多いようですが、必ずしもそうではないので難しいかもしれません。
干柿は日光を利用する天日乾燥と火力乾燥などがありますが、乾燥させるのでどうしても表面が黒っぽくなってしまい嫌厭されがちです。
そこで、近年は“遠赤外線乾燥”の行程を取り入れる産地が増えており、こうすると柿色のイメージで美しく仕上がるので見た目もとても美味そうになります。
柿はこの時期以外ではなかなか食べる事は少ないと思いますが、ビタミンAやC(ビタミンCは干し柿にはほぼ含まれない)、カロチンを多く含み、体を冷やさない食べ物でもあるので是非、秋の味覚として美味しくいただきましょう。
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