フランスパンの日
「フランスパンの日」は「いい(11)フランス(2)パン(8)」という語呂合わせが由来で、「日本フランスパン友の会」が制定しました。
「日本フランスパン友の会」はベーカリー関係の会社によって構成され、フランスパンの製造技術の向上や普及などの活動を行っており、「フランスパンの日」もフランスのパン食文化を浸透させるという普及活動の一環とされています。
また、11月28日はボジョレーヌーボーの解禁日である11月の第3木曜日にも日付が近く、相性のいいボジョレーヌーボーとフランスパンを一緒に楽しんでほしいという願いも込められているそうです。
フランスパンが硬い理由
“フランスパン”とは小麦粉・塩・水・イーストのみで作られるフランスのパリ発祥のパンの総称で、バゲットやバタールがよく知られており、フランスでは“パン・トラディショネル”といいます。
英語で“クラスト(crust)”と呼ばれる外皮部分は煎餅のようにパリパリしており、フランスパンの独特の食感と香りを生み出し、硬く香りのよい外皮部分に比べて“クラム(crumb)”と呼ばれる中身は柔らかい食感となっています。
フランスパンはその硬さが大きな特徴で卵、乳製品、油類など副材料を使用しないからです。
通常はこれらの副材料の影響で柔らかいパンになるのですが、フランスパンには含まれていないので水分の抜けが早く、固いパンになるのです。
グルテンの少ない準強力粉や中力粉が材料となっているのも影響しています。
材料がシンプルゆえに作り手の技術が味を左右するため、フランスパン作りはパン職人になる上での難関であるともいわれています。
元々フランスパンはイースト菌のようなパン酵母を用いず、生地を一度に混ぜて直火焼きしたものであったため、焼き色は現在のようなキツネ色ではなくうす焦げたものでした。
現在のような形になったのは19世紀頃で、酵母菌や製粉技術などの向上によりこの頃から今日見られる多彩なフランスパンが作られるようになったのです。
最もポピュラーなフランスパンであるバゲットが普及したのは、20世紀になってからになります。
これは1920年代に法規制によって、パン職人が午後10時から午前4時までの間働くことを禁じられたため、朝食までに従来の丸いパンを焼き上げることが困難となり、製造時間を短縮できる細長い形が一般的になったそうです。(諸説あり)
日本ではフランスと違い“もちもちした食感”のパンが好まれるため、大手パンメーカーが市販するフランスパンはグルテンの強い小麦素材を使用しながらグルテンの粘り気を利かせた製法を用いており、食感が本家のフランスパンよりももちもちして弾力の強いものとなっています。
ですので日本の大手メーカーなどで大量生産されるフランスパンは“ソフトフランス”などと称し販売されており、フランス国内で食されるフランスパンとはまるで食感が違うもので、外観こそ似ていますが皮は柔らかく中身は噛み応えの強いものになっているのです。
同じ生地・同じオーブンで作っても、バゲットは細長く皮の部分が多いために皮のパリパリ感や香りを重視する人に向き、丸いブールは中身が多く柔らかなパンを好む人あるいはサンドイッチに向き、バタールはバゲットより太いがブールのようには丸くないのでその中間になります。
スーパーなどの市販品のフランスパンは日本人向けに改良されたものですので、本場の硬いフランスパンを味わいたいという人はパン屋さんに行ってみるのも一つの手かもしれませんね。
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