紙の記念日
「紙の記念日」は1875(明治8)年のこの日に東京・王子の抄紙(しょうし)会社の工場で営業運転を開始したことが由来です。
抄紙会社は実業家・澁澤榮一が大蔵省紙幣寮から民間企業として独立させたもので、王子製紙の前身となりました。
紙で木が切れる
“紙”とは植物などの繊維を絡ませながら薄く平に成形したもので、日本工業規格(JIS)では“植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの”と定義されています。
広義の紙は直径100マイクロメートル以下の細長い繊維状であれば、鉱物、金属、動物由来の物質、または合成樹脂など、ほぼあらゆる種類の原料を用いて作ることができ、例えば不織布は紙の一種として分類されることもありますが、一般的には紙は植物繊維を原料にしているものを指します。
その用途は様々で原初の紙は単純に包むための包装用に使われており、やがて筆記可能な紙が開発され、パピルスや羊皮紙またはシュロ・木簡・貝葉などに取って代わり情報の記録・伝達を担う媒体として重宝されました。
やがて製法にも工夫が施され、日本では和紙の技術確立とともに発展し、江戸時代には襖や和傘、提灯・扇子など建築・工芸材料にも用途を広げ、西洋では工業的な量産化が進行し、木材から直接原料を得てパルプを製造する技術が確立されます。
19世紀に入るとイギリスでフルート(段)をつけた紙が販売されたことから瓶やガラス製品の包装用途を通じて段ボールが開発され、さらにクラフト紙袋など高機能化が施され、包装用としての分野を広げ現在に至るのです。
紙の原料は現在の洋紙では木材と古紙がほとんどを占めていますが、木材が紙の原料となったのは19世紀後半からで、それより前は非木材植物原料が主流でした。
また、近年では製紙による森林伐採を抑制する観点から、ケナフ、サトウキビ、タケなどの非木材植物が注目される場合もあります。
紙は排出されるゴミに占める比率が高く家庭では約25%、オフィスからは約50%が相当するといわれており、これらが古紙として再生されることはゴミ軽減の効果も大きくなります。
紙のゴミといえばコピー用紙などが多いのではないでしょうか。
コピー用紙を整える際に誤って指を切ってしまった経験をしたことがある人も多いと思います。
この紙の切れ味というのは凄まじく実は理論上では紙で木を切ることもできるのです。
というのも一般的に同じ硬さの物質であれば切断や掘削することができ、紙は一見柔らかそうに見えますが材料が木なので切断することができます。
紙で木を切断する場合は、丸ノコのように円形に切った紙を高速で回転させることによって行われます。
ただしあくまでも理論上は切断できるのですが、実際は紙の直径や切る対象の木の厚さや形状によって紙が負けてしまうことも多く、また摩擦熱によっても紙が損傷してしまいます。
動画なども多数公開されていますので気になる方は探してみてはいかがでしょうか。
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