バイオリンの日
「バイオリンの日」は1880年のこの日、東京・深川の三味線職人・松永定次郎が国産バイオリンの第1号を完成させたことが由来です。
バイオリンが完成したばかりの頃はバイオリンという楽器に馴染みが薄く、まだ「堤琴(ていきん)」と呼ばれていました。
主に上流階級の子女の嗜みとして徐々にバイオリンは広まっていき、明治時代の終わりのころには世の中にバイオリンの存在が一気に広まります。
自由民権運動をする際には、自分の思想を広める際に演歌を用いていたそうですが、この演歌の伴奏でバイオリンが大活躍をみせたからだそうです。
このように戦前はバイオリンが伴奏楽器として一気に普及していったのですが、戦後は伴奏楽器にはギターが用いられるようになっていき、バイオリンは主にクラシック音楽などを演奏するために用いられるようになっていきました。
弦が蜘蛛の糸で作られたバイオリンが存在する
“バイオリン”は弦楽器の一種でバイオリン属の高音楽器で、バイオリン属に属する4つの楽器(バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)の中で最も小さく、最も高音域を出す楽器です。
弦を弓や指などで振動させて音を出す、弦鳴楽器に属すします。
ヴァイオリンの起源は、中東を中心にイスラム圏で広く使用された擦弦楽器であるラバーブにあると考えられており、ラバーブは中世中期にヨーロッパに伝えられ、レベックと呼ばれるようになりました。
やがてレベックは立てて弾くタイプのものと抱えて弾くタイプのものに分かれ、立てて弾くタイプのものはヴィオラ・ダ・ガンバからヴィオール属に、抱えて弾くタイプのものはバイオリン属へと進化していきます。
登場以来バイオリンは、舞踏の伴奏など庶民には早くから親しまれていましたが、芸術音楽においてはリュートやヴィオールに比べて華美な音質が敬遠され、当初はあまり使用されませんでしたが、制作技術の発達や音楽の嗜好の変化によって次第に合奏に用いられるようになったのです。
日本ではルイス・フロイスの『日本史』によると、16世紀中頃にはすでにヴィオラ・ダ・ブラッチョが日本に伝わっていたとされ、当時ポルトガル人の修道士がミサでの演奏用として日本の子供に教えたことが記されています。
通常バイオリンは、ガットという羊の腸で出来た弦に、馬の尾っぽの毛で出来た弓をあてて演奏しますが、この弦が”蜘蛛の糸”でできたバイオリンが存在します。
兵庫県出身の奈良県立医大名誉教授である大崎茂芳(しげよし)氏は大学院生時代、“当時の流行分野だった”という“粘着”の研究を始め、蜘蛛の巣に関する研究がほぼ手つかずと知り、“人がやっていないことをしよう”と思い立ちます。
以来全国各地でクモを採集し、柔軟で強く、最高250度まで溶けない耐熱性など、クモの糸の特徴を突き止めるのです。
2009年の春頃に、車の中で聴いたロシア民謡の弦の音色に感動し、ふと“クモの糸束が弦に使えるのでは”と考えたのですが、楽器の演奏経験はなく、一から構造を学ぼうと奈良市内のレッスン教室に通い、弾き方や弦の張り方を習得していきました。
バイオリンの弦は少なくとも70cm~100cmぐらいの長さが必要とされていましたが、ぶら下がる時のクモの糸束の長さはせいぜい13cmと短いため無理かと思われていました。
バイオリンを引けるようにレッスンに通いながら研究を続け、2010年8月についに切れにくい蜘蛛の糸の弦が出来上がったのです。
バイオリンの弦1本あたりには1万5,000本の蜘蛛の糸が使われ、蜘蛛は隙間のなくなった繊維集合体の糸が出来上がるオオジョロウグモを使いました。
そのバイオリンを弾いいてみると、この蜘蛛の糸で弦を作ったバイオリンは、周波数解析では世界最高峰とされる“ストラディバリウス”の音色と比べても遜色がなく、音楽家からも高評価をもらっています。
更に、英国のBBC、米国のABCを含めて、世界25か国以上のマスコミから取材・報道があり、バイオリン生産大国のドイツやイタリアの楽器業界から“商品化できないか”との要望もくるほどでした。
バイオリンは弦楽器のなかでも知らない人はいないと言えるほどメジャーな楽器です。
聴くだけでなく教室なども多数ありますので挑戦してみてはいかがでしょうか。
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