タイヤはなぜ黒い色をしているのかご存じでしょうか?
それはタイヤに使われるゴムには、カーボンブラックと呼ばれる黒い炭素の粒が含まれているからです。
カーボンブラックは、黒色の着色材として、印刷インキやトナー、マスカラなどにも使われおり、カーボンブラックを混ぜることで黒いゴムができます。
カーボンブラックを加えるのはゴムの強度を高めることができるからです。
輪ゴムなどのゴム製品は、生ゴムに硫黄を混ぜて加熱することで強度を高めています。(これを加硫といいます。)しかし、車の重さを支えたり、エンジンの力を路面に伝える役割を担うタイヤに使われるゴムには非常に大きな力がかかるため、加硫だけでは十分な強度を得ることができません。
そこでゴムにカーボンブラックを加えることで、ゴムの強度が飛躍的に向上し、タイヤとしての性能を発揮できるようになるのです。
黒いタイヤが主流になるのは1900年頃からです。それまでは白いタイヤが主流でした。
黒いタイヤが登場した当時は、最先端の性能を持つ黒いタイヤこそが富や名声のあかしであり、高級車がこぞって装着していたそうです。