ハチ公は、東大農学部の上野英三郎博士に飼われていた秋田犬でした。
1923年に秋田県大館市で生まれ、1924年から上野博士に飼われることになります。
上野博士の存命中は玄関先や門の前で上野博士を見送り、時には渋谷駅まで送り迎えすることもありました。
そして上野博士が1925年5月に突然亡くなった後も毎日渋谷駅前で主人の帰りを待ち続けたといわれています。
ですがこの頃、通行人や商売人からしばしば虐待を受けたり子供の悪戯の対象となってしまいます。
上野を迎えに渋谷駅に通うハチのことを知っていた日本犬保存会初代会長・斎藤弘吉は1932(昭和7)年)、渋谷駅周辺で邪険に扱われているハチを哀れみハチの事を新聞に寄稿しました。
これが東京朝日新聞に「いとしや老犬物語」というタイトルで掲載され、その内容は人々の心を打つことになります。
主人を慕うハチ公の一途な姿は人々に感銘を与え忠犬と呼ばれるようになり、1934年4月渋谷駅前に銅像が建てられました。
銅像の除幕式にはハチ公自身も出席しておりそして1935年3月8日に10歳余りで一生を終えます。
ハチ公の銅像は第二次大戦中に供出され、現在のものは1947年8月に再建されたものです。