水の日
「水の日」は1年を通して8月が一番水を使う量が多い月であることから、その月の最初に節水を呼びかける為にこの日を記念日とし、国土庁(現在の国土交通省)が1977年に制定しました。
また「水の貴重さや水資源開発の重要性について国民の関心を高め、理解を深める」という事も目的となっています。
あまり知られていない水の不思議な性質
“水”とは、化学式 H2O で表される水素と酸素の化合物であり、特に湯と対比して用いられ、温度が低くかつ凝固して氷にはなっていないもののことです。
また、液状のもの全般を指すこともあります。
この“水”は身の回りでもっとも身近な物質であり、生命にとって欠かすことのできないものですが、この世の中で最も不思議な性質を持つ、実に不可解な物質の一つでもあるのです。
そして、この“水の異常性”が生命の存在にとってとても重要な役割を果たしていると言われています。
水は“異常液体”といわれるほど自然界では特異な物質です。
水が凍ると“氷”となるのは誰もが知ってることですが、このような固体状態の水である氷は、極めて珍しいことに液体状態よりも体積が増加することが知られています。
液体が固体になるとその密度は増すわけですから、液体のときよりも重くなるはずなのです。
他の物質ではその考えが当てはまりますが、水の場合のみこの常識が通用しません。
このように固体になると液体よりも体積が増加する物質は“異常液体”と呼ばれており、水の他には“ケイ素”、“ゲルマニウム”、“ガリウム”、“ビスマス”のみです。
このような現象が起こるのは、異常液体の固体は結晶構造に隙間が多く、分子が自由になる液体状態の方がかえって最密に近くなるためとされています。
この性質は地球の環境とも関連があり、もし氷が水より重かったとしたら寒さによって海などの表面が凍り、その凍りが海底に沈み、次に海面に晒された水が凍り…を繰り返し地球は瞬く間に氷の惑星となり生物は死滅していたことでしょう。
また、水はほかの液体と比べてとても温まりにくいという性質があり、同じ液体でもアルコールなどは水の半分の時間で温まるほどです。
人間の体温が夏でも冬でも一定なのは、この水の温まりにくい性質が影響しています。
そして、水の固体である“氷”には実は全部で17種類もの性質の異なる姿があることが知られています。
氷は温度と圧力を変えると、氷Ih、氷Ic、氷II、氷III、氷IV、氷V、氷VI、氷VII、氷VIII、氷IX, 氷X、といった種々の状態の氷になります。
これほど多くの多形が見つかっている物質は他に無く、水・氷の特異性の一つを象徴していると言えるでしょう。
ただし、地球上で見られる氷のほとんどは、I相の氷のうち“Ih相”と呼ばれるものであり、hは六角形の“六方晶”を表すhexagonalの頭文字で、雪の結晶が六角形なのはこのためなのです。
なかでも特殊なのは氷VIIであり、これは2万気圧以上の高圧で存在し、100℃を超えても融けない“熱い氷”になります。
地球から33光年離れた矮星(わいせい)にグリーゼ436aという恒星があり、グリーゼ436aの周囲を回っている惑星であるグリーゼ436bは、その圧力と重力によって大部分が“熱い氷”でできており、水素とヘリウムの大気を持つと考えられています。
この星は親星たる恒星にあまりにも近いために摂氏250度という高温なのにも関わらず、星は水の塊、天体としての実体を保っており、しかもその水は灼熱状の氷になっているそうです。
当然この氷に触れれば火傷では済みません。
これはこの惑星に大量の水が存在し、惑星自体が重いため、引力によって惑星の中核に水が引っ張られるからであり、そしてこのとき水の分子は強く引っ張られる為、蒸発することができないというわけです。
これら以外にも水には特殊な性質があります。
水には反磁性というものがあり、強力な磁石を近づけると反発して逃れるような動きを見せます。
純度100%の水は他の物質を吸着する性質があり、パソコンで使用される半導体などには、小さなホコリでも不具合の原因になりますが、その目にも見えない小さなホコリを取るために水が利用されています。
氷の上は滑るというのは常識ですが、“なぜ滑るのか”についてはいくつかの説はあるものの、完全に解明されていません。
水という人間にとってあって当たり前で最も身近な物質が、実は自然の中で最も異端な物質の一つであると思うと世界の不思議を感じずにはいられませんね。
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