蓄音機の日
「蓄音機の日」は1877年のこの日、エジソンが蓄音機の特許をとったことが由来です。
蓄音器は音を記録する機械の事を指し、エジソンが発明した蓄音器は「TIN FOIL(ティン・フォイル)」と呼ばれるもので、空気の振動を針に伝えることによって音を刻みこみ、再生をする時には刻まれた溝にそって震動板と呼ばれる部品を動かす仕組みとなっていました。
天才発明家として有名なエジソンは、蓄音器を発明した時点で年齢はまだ30歳であり、その時すでに自身の研究によって100以上の特許を取得していたそうです。
蓄音機の理論を完成させたのはエジソンではない
“蓄音機”とは、声の振動を物理的な溝の凹凸ないし左右への揺れとして記録したレコードから、振動を取り出し拡大して、音声を再生する装置です。
エレクトロニクス技術が発達する前時代のものなので、回転部(ターンテーブル)の動力としては巻き上げた重りやぜんまいを使用し、針で拾った振動のエネルギーを直接利用して、指数的に内径の広がる(元のエネルギーが非常にわずかなので、理想に近い形状が必要である)ホーンにより音響的に音声信号を拡大しています。
この蓄音機を発明したのはエジソンと一般的に言われていますが厳密には違うかもしれません。
実は蓄音機の理論を最初に完成させたのはフランスの発明家であるシャルル・クロという人物なのです。
シャルルはエジソンよりも早く蓄音機の理論を論文にしてフランス科学協会に発表していました。
しかしシャルルが発表したのは理論のみで実物は作っておらず、エジソンがシャルルよりも実物を作成、特許を取得したということになります。
エジソンは蓄音機以外にもグラハム・ベルが発明した電話機を改良、実用化したり、ボルタが発明した電池を改良してアルカリ電池を作ったりしています。
エジソンの蓄音機は最初は音楽を生ではなく録音再生する製品として登場しました。
円柱の蝋管に音を深さで刻む蝋管式蓄音機で、音を出すには音の溝を針でなぞってそのまま機械的に振動板へ振動を伝える構造で、振動板の中心点に接着してある紐が引っ張って振動を伝える仕組みになっており、実際にはとても複雑な仕組みで、角度や長さ等が厳密に設計されていて大変精巧な作りになっています。
この音を出すパーツをサウンドボックス、あるいはレプロデューサーといい、今でいえばスピーカーに相当するパーツで、振動板は現在のスピーカーの振動板が平行往復運動するのと違い、振動板の中央の点で駆動される為、振動板はたわみ運動で音を出しています。
この振動板の中央を点で駆動する仕組みはマグネチックスピーカーも同じで、戦後のダイナミックスピーカーが出るまで続きました。
日本では、1910(明治43)年に日本初の国産蓄音機ニッポノホンが発売されました。
これには軍艦行進曲などが収録されたレコードが付属していたそうです。
日本独自の装置として、1937(昭和12)年に日本フィルモン社が長さ13m、幅35mmのセルロイド系素材のベルトの両端を接続してエンドレスにし、そこに音溝を刻んだフィルモン音帯からレコード針で音を再生する装置“フィルモン”を発売しています。
今ではなかなかお目にかかることはないと思いますが、レトロな雰囲気を味わうにはとてもいいものだと思います。
数は少ないですが実際に聴けるところもありますので探してみてはいかがでしょうか。
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