諸説ありますが“みなと”とは、船が安全に停泊できるようにした所のことで、 漢字には“港”と“湊”の表記がありますが、一般には“港”が使われ、“湊”を使うと風情のある印象を与えられます。
“港”の“巷”は、町や村の通路を表す漢字です。
その“巷”に“水”を加えた“港”は、元は船の通る“水路”を表し、船が発着する場所という意味はありませんでした。
また古い時代では“水の門”と書いて“みなと”と呼び、時代が進むにつれて“港”の字が与えられたという説もあります。
“湊”の“奏”は、お供え物を集めて神様に差し出す様子を表した漢字で、多くの人や物が集まるという意味があります。
その“奏”に“水”を加えた“湊”は、船が集まる場所、つまり“みなと”を表していました。
つまり、船の発着する場所は本来“湊”と書いていたが、水路を意味した“港”がその意味でも使われるようになり、“港”と表記することが一般的となったため、“港”よりも“奏”の方が古めかしい印象を与えるようになったと考えられます。
そのため“昔は港町として栄えた”よりも、“昔は湊町として栄えた”と書いた方が、現在は港町ではないことを強調し、古風で素朴な印象を与えることになります。
ですが“湊”は地名以外に使われることは少なく、古い時代のものでも“港”と表記されていることもありのありますので特別使い分けをされているものではないようです。