沖縄慰霊の日

イメージ_沖縄「 沖縄慰霊の日」は1945年のこの日、牛島満大将らが自決し、第二次大戦の沖縄における組織的戦闘が終結したことが由来です。

80日にもおよぶ地上戦で、住民を中心におよそ20万人もの犠牲者を出します。

1961年にアメリカ施政下の沖縄で、日本の国民の祝日に相当する「住民の祝祭日」の一つとして定められ、1972年の沖縄復帰後は休日としての法的根拠がなくなりましたが、1991年に沖縄県の条例で休日とされました。

なお、沖縄戦終結の日は6月22日とする説もあり、制定当初から1965年までは6月22日が「慰霊の日」とされていました。

関連した記念日として5月15日が「沖縄復帰記念日」となっています。

マングースが沖縄に連れて来られた理由

ある特定の生物を退治するために海外から導入されて、うまくいかないどころか必要以上に個体数を増やして、日本古来の在来種を絶滅の危機にさらして、駆除対象になる“有害外来生物”に指定されてしまうケースはよくあります。

沖縄の“マングース”もそれに該当します。

マングースは、西アジアから東南アジアにかけて分布する雑食性の哺乳類で、日本では、沖縄島と奄美大島に定着しています。

外来種としての歴史は意外と古く、1910年に沖縄島に最初に導入されました。

マングースが持ち込まれた理由は、島内のネズミと毒ヘビ・ハブを退治するためだったとされます。

当時、沖縄島ではハブによる咬傷被害と野ネズミによるサトウキビの被害に悩まされており、これらを捕食する相手としてマングースに大きな期待がかけられたのです。

1979年には奄美大島にも導入されたマングースですが、導入とともに島内であっという間に繁殖し、沖縄島では3万匹に達した時期もあったようです。

ですが肝心のハブや野ネズミ駆除はどうなったか、と言う点についてですが、調査の結果マングースはハブを捕食しないということが判明しました。

というのもマングースにとってハブは必ずしも捕食対象動物ではなく、ハブよりも比較的容易に捕食できる動物を狙うからです。

在来種であるヤンバルクイナやアミノクロウサギといった希少な動物を捕食し始めたせいで生態系へ影響が出るようになってしまい、さらに畜産物、農作物を荒らすことや、感染症(レプトスピラ症)の原因となることで人間社会にも大きな影響を及ぼしました。

当初の目的が裏切られただけでなく生態系を壊しかねないまでに繁殖してしまったマングースですが、2005年にはついに特定外来生物に指定され、捕獲・駆除の対象となってしまいます。

マングースが沖縄に連れて来られた経緯は以下の通りとされています。

まだ沖縄はハブやネズミの被害に悩まされていた頃、動物学の権威であった東京大学・渡瀬庄三郎名誉教授(1862-1929)がいました。

教授がインドに出張に行った際に、街でコブラ対マングースの対決ショーを見る機会があり、毒ヘビ・コブラを勇猛果敢に倒すマングースの姿に感激して、マングースの沖縄への導入を思いつき、船便で運んだ、という逸話が語り継がれています。

かつては沖縄でもハブ対マングースの見せ物がありましたが、動物愛護法(動物愛護及び管理に関する法律)によって平成12年(2000年)に禁止されました。現在では過去の対決の映像や、対決はさせないもののショーとしてハブとマングースを見せるところはあるようです。

教授がマングースを持ち込んだのはあくまでも“島民のため”であり、悪意があったものではありません。

教授は他にもアメリカザリガニやウシガエルといった北米原産の外来動物の導入も積極的に進めたとされており、その目的は“食用”であり、これもまた国民生活を考えてのことだったのでした。

しかし、アメリカザリガニもウシガエルも今や日本全国の内水面に蔓延る“侵略的外来生物”として、環境省の駆除対象となっています。

一度起こった失敗は二度と繰り返されるべきではなく、マングースの失敗から我々は外来生物管理の難しさ、生態リスクの予測不能性、そして生物学・生態学の“未熟さ”を十分に学び、これからの人間社会に活かしていく必要があります。

私たち一般人も“飼えなくなった”などの理由で簡単に外来種のペットを捨てたりはしてはいけないのです。

 


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