ユースホステルの日

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「ユースホステルの日」は1909年のこの日、ドイツの小学校教師だったユースホステルの創始者リヒャルト・シルマンが生徒たちと遠足に出掛けた時、突然の大雨のために小学校で雨宿りをして夜になっても雨が止まず、翌朝までその小学校で過ごすことになったことが由来です。

シルマンはこの経験から旅行中の青少年が何かあった時に駆け込め、安い料金で安心して宿泊のできる施設の必要性を感じ、ユースホステルを創設することになりました。

この日には世界中のユースホステルで記念行事が開催されているそうです。

ユースホステルとは

“ユースホステル”は日本では耳馴染みのない言葉ですが、世界的な宿泊施設であり“青少年少女の旅のための安全かつ安価な宿泊場所”のことを指します。

上記の通りドイツの小学校教師リヒャルト・シルマンはワンデルンシューレ(移動教室)を思いつき、児童を連れてさかんに徒歩旅行をしていましたが、宿泊場所の確保に苦労し、さらに1909年に豪雨のために緊急避難的に小学校に避難したことからユースホステルを発案します。

その後シルマンは、ザウワーラント山岳協会のウィルヘルム・ミュンカーの支援を受け、一代にして世界中にユースホステル運動を広げるのですが、第一次世界大戦によりユースホステル運動は中断し、大戦後のハイパーインフレでによってシルマンは全ての財産を失いました。

その後国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)政権によりシルマンは追放されます。

そして、第二次世界大戦と敗戦を経てドイツは焦土となり世界から孤立してしまい、ドイツユースホステル協会の国際ユースホステル連盟への復帰は却下され続けるのです。

このような絶望的な状況下からもシルマンは、何度も何度も再起し、世界中にユースホステルのネットワークを作り上げていきました。

世界最初の専用ユースホステルは、シルマンが1912年、アルテナ城を使って青少年が廉価で宿泊できる施設を開設したのが始まりであり、アルテナ城内のユースホステルは現在も営業を続けています。

それ以前にも自身の勤務する小学校(アルテナのネッテ校)でユースホステルを臨時に設置していましたが、アルテナ城と違って専用ユースホステルではないようです。

海外では、素泊りか朝食付で1泊が日本円で約3000円以下の廉価で泊まれるというのが魅力で、その宿泊施設も一般住宅と同等の家屋のほか、古城や古い穀物倉庫などの歴史的建造物、豪華な邸宅、さらに岸壁に係留された帆船や貨客船などの船舶であったりと多種多様で、そうした環境面での予期しない楽しみも多く、世界最初のユースホステルもドイツ・ドルトムント近くのアルテナにある古城の一角に設けられました。

2005年時点で世界の80ヶ国に約5500施設があり、うち約3分の2がヨーロッパにあるものです。

元来、青少年の旅行者向けに開設された宿泊施設のため、ドイツ南部のバイエルン州では2004年まで原則満26歳までの利用とする年齢制限がありましたが、2005年からは世界中の全ての地域・国で、利用できる年齢に上限を設けていません。

日本では1951年の日本ユースホステル協会(JYH)設立以後、全国各地でユースホステルの開業が相次ぎ、1974年の最盛期には587施設とピークを迎えていましたが、それ以降の施設は減少気味であり、2000年には332施設、2010年12月31日現在249施設、2013年では222施設まで減少しています。

会員も全盛期には、1970年代には最高で63万人を超え世界第1位となったこともありましたが、1980年代以降は減少傾向にあり、2013年で37,800人まで減少しているようです。

以前は、ユースホステルの宿泊料金は素泊まり3000円以下、1泊2食4000円前後かそれ以下という価格設定になっており事実上最も安い宿泊施設でしたが、今は宿泊施設の多様化が進み、価格面でも競合相手が多数出てきているのが現状です。

特にユースホステルは会員制であるため、1泊しかしない旅行者にとっては、年会費+宿泊料金が事実上1泊に必要な料金となってしまうため、割高感が否めず、またこれがネックとなって、入会および利用へのブレーキになっています。

実際には会員でなくてもビジター料金で宿泊できるのですが、地方都市の駅前など朝食付きの安価なビジネスホテルには料金面で太刀打ちできなくなっています。

とはいえ宿泊者同士の交流が生まれたりと普通のホテルにはない魅力があるのも事実ですので、機会があれば利用してみるのもいいかもしれません。

 


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