基本的に歯磨きのタイミングは食後と就寝前がいいとされています。
食後がいいのは食べカスを取り去り、細菌の繁殖を抑えられるからだといわれています。
むし歯はいわゆるむし歯菌が糖を食べて酸を作り、これが歯の成分である(ハイドロキシ)アパタイトを溶かすことにより起こります。
これを“脱灰”といいます。
初期のむし歯では脱灰したアパタイトが歯に戻る“再石灰化”と呼ばれる現象が起こります。
フッ素、正しくはフッ化物を含むアパタイトは再石灰化を起こしやすく、いったん歯に戻ると次には脱灰しにくいため、歯の表面が強いアパタイトに置き換わってむし歯に強くなります。
つまり再石灰時にフッ化物がお口の中にあることが重要となります。
これがむし歯予防にはフッ素入りの歯みがき剤(ペースト、粉など)が良いといわれるゆえんです。
ですが歯みがきの後に何回もうがいをすると歯みがき剤に含まれるフッ化物が流れて薄くなってしまうのです。
歯磨き後に汚れを吐き出した後の仕上げのうがいはごく少量の水で1回だけにして、しばらく飲食しないことにより再石灰化効果が高まると言われています。
また、ハブラシを濡らして歯磨きをすると歯磨剤がアッという間に泡立ってしまい長い時間磨けません。
子どもの場合
上記はあくまでも大人の場合であり、永久歯の完成していない子ども(7歳頃まで)の歯にフッ素が取り込まれ過ぎると”フッ素症”と呼ばれる病気になるリスクが高まってしまうそうです。
子どもの時代にフッ素を摂り過ぎれば、フッ素中毒症になるリスクが高くなります。
フッ素症歯はいったん虫歯になってしまうと、歯質は脆く治療は困難で抜くことが多いと言われており、子どもの歯磨きについてはたっぷりとうがいをさせるのが推奨されています。