こんにゃくの日

イメージ_こんにゃく

「こんにゃくの日」は種芋の植えつけが5月に行われることと、五(こ)二(に)九(く)で「こんにゃく」の語呂合せから、全国こんにゃく協同組合連合会が1989年に制定しました。

「こんにゃくの効用や機能性を再確認して健康に過ごして欲しい」という願いが込められているそうです。

こんにゃくは何からできている?

こんにゃくは和食には欠かせず、しかも健康に良いことで有名ですが、そのこんにゃくがどうやって作られているかを知っている人は少ないかもしれません。

こんにゃくは“こんにゃく芋”(こんにゃく玉とも呼ばれる)というサトイモ科の植物の球茎から作られます。

こんにゃく芋の原産はインドシナ半島といわれ、現地では芋の形状から“象の足”という異名があり、欧米では“デビルズ・タン(悪魔の舌)”などと呼ばれています。

今でも東南アジアには数多くのこんにゃく芋の仲間が自生し、その種類は約130種といわれていますが、その多くは日本のこんにゃく芋と品種が違い、こんにゃくマンナンという食物繊維の含まれないこんにゃく芋で、加工しても固まらず、こんにゃく作りには適しませんでしたが、最近では中国をはじめ東南アジアの各国においても日本向けに食用として栽培している状況だそうです。

こんにゃくは6世紀頃仏教とともに中国より伝わったとされていますが、詳細は不明です。

こんにゃく芋は、じゃが芋と同様に種芋から増やしますが、じゃが芋と違って成長するのに2~3年必要です。

また、一度収穫したものを春にもう一度植え直すなど非常に手間のかかるものですが、こんにゃく芋は低温に弱く、腐りやすいため、収穫してから次に植えるまでの保管がとても難しい作物なのです。

こんにゃく芋は葉に傷がつくだけでも病気になってしまうほどデリケートな植物のため、強い日光や風、干ばつ、水はけのわるい場所ではうまく育たず、運任せなことから“運玉”とも呼ばれていましたが、昭和30年頃には安定した栽培方法が確立されています。

昔は、こんにゃく芋を生のまま、あるいはゆでて皮をむいてすりおろしたものを使うのが主流でしたが、今ではこんにゃく芋を薄く切って乾燥させ(荒粉・あらこ)、さらに細かい粉(精粉・せいこ)にしてから作る方法が主流になっています。

こんにゃく芋は、少しかじっただけでも口の中がピリピリするほどの強烈なエグミがあり、他の芋のようにそのままゆでたり、焼くだけでは食べられません。

エグミの正体はシュウ酸やフェノール誘導体など、これらを中和して取り除くために必要なのが、こんにゃくを固める働きもする灰汁(あく)です。

誰が思いついたかは定かではありませんが“アク”を“灰汁”で取り除くという画期的な方法でした。

また、こんにゃく特有のプリプリとした歯ざわりは、こんにゃくに含まれるこんにゃくマンナンという食物繊維がこの灰汁(あく)というアルカリ性物質によって変化したためにできるものです。

こんにゃく芋はとても腐りやすかったため、この方法が発見されるまでは、こんにゃく芋が収穫できる秋限定の食べ物でしたが、この加工法によって一年中こんにゃくを作ることが可能になりました。

 


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