ごみゼロの日
「ごみゼロの日」は「ゴ(5)ミ(3)ゼロ(0)」の語呂合せが由来です。
豊橋山岳会会長・夏目久男さんの呼び掛けにより豊橋市で530(ゴミゼロ)運動が開始され、1975年に官民一体の530運動推進連絡会が設立、5月30日のゴミゼロの日と11月11日の市民の日を中心として全市一斉の清掃活動が行われるようになりました。
「530(ゴミゼロ)」というネーミングのユニークさから530ゼロ運動は全国に広がり、1993年には厚生省がこの日を初日とするごみ減量化推進週間を制定しています。
リサイクルの歴史
ゴミを減らすために“リサイクル”が度々注目されますが、実はこの“リサイクル”というシステムは近代社会になってから始まったものではなく、江戸時代から存在していたのです。
というのも現代のようになんでも簡単に手に入れられる時代ではありません。
物が少なく貴重でしたので、一つのものを長く大切に使うのが普通のことでした。
使えなくなっても修理をしてまた使い、何度も直してそれでも使えなくなったもので、捨てることをせずにリサイクルしていたのです。
ゴミのようになったものでも修理したり、別の物にしたりして、売ってお金にしていたのです。
“リサイクル”というよりはただ“もったいない”という意識が強かったのだと思われます。
江戸時代の職人には、家の中でモノづくりに励む“居職(いじょく)”と、外に仕事場のある“出職”がありました。
さらに特定の仕事場にいくのではなく、商品を天秤棒で担いで街を売り歩く“棒手振(ぼうてふり)”という職人もいました。
豆腐、しじみ、漬物、野菜、魚など日常の食生活に欠かせない食品を売り歩く者のほか、貸本屋やざる売り、炭売り、油売りなどの日用品も売られていたそうです。
江戸時代には、こうした物売りの他にも各種修理職人も棒手振りとして街を歩いており、雪駄直し、ちょうちんはりかえ屋、はさみ研ぎなどリサイクル専門の職人です。
そして様々な修理業者が存在していました。
“鋳掛屋(いかけや)”は鍋や窯の修理をする人です。
江戸時代には鍋釜に穴があいても捨てずに、穴をふさいでいつまでも使いました。
鋳掛屋は“ふいご”と火鉢を持ち歩き、頼まれれば即座にハンダ付けをして直していたそうです。
“たが屋”というのは桶や樽のタガをはめ直す仕事人です。
緊張が解けて羽目を外したときなどに“タガが外れる”と言いますが、この“タガ”というのは桶などがバラバラにならないように縛っている金属のことで、それを直していました。
「瀬戸物焼接(せとものやきつぎ)」というのは、割れた陶磁器を修繕する職人です。
今では一度割れてしまった食器をつないで使うことはまずありませんが、江戸時代にはくっつけてまた使うのが普通のことでした。
瀬戸物焼接がはやりすぎて、瀬戸物屋が売れずに困ったという話もあるほどに、繁盛していたようです。
中にはもはやゴミと思えるものを買い取る業者もいました。
“紙くず買い”という職人がいて、古紙だけでなく、衣類や金属、古い道具などを買い取って回っていました。
古紙は再生紙にしたり、燃料としてリサイクルされていました。
“古傘買い”というのは、傘を買い取る職人です。骨を削り直し紙をはり直してリサイクルし、新品同然の傘にしていました。
また、削り取った紙は防水性が高いため、みそなどの包装紙としてリサイクルされました。
“ロウソクの流れ買い”は、ロウソクを灯した後に残ったカスをまとめて買いとる職人で、集めたロウを溶かしてかため、再びロウソクに再生するのです。
これら以外にも様々な修理職人が存在しており、江戸時代はかなり発達したリサイクル社会でした。
モノがあふれがちな現代社会では、修理するよりも新しく買った方が安く済んだりすることもあるでしょう。
ですがやはりゴミは出ない方が良いことに変わりはないので、リサイクルの意識を持ってみてはいかがでしょうか。
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