測量の日
「 測量の日」は1949年のこの日に「測量法」が公布されたことから、建設省(現在の国土交通省)、国土地理院等が1989年に制定しました。
測量・地図への幅広い理解と関心を深めてもらうことを目的としており、啓蒙行事などが国の機関や関係団体によって行われているそうです。
工事現場で測量する理由
よく工事現場などで三脚に載せたカメラみたいなものを除いている人を見かけたことがあると思います。
あれがいわゆる“測量”というものをしているのです。
そもそも“測量”とは国土と環境の位置に関連する情報を正確に計測し、図面に表現して生活向上に役立てる技術です。
社会資本の整備などに欠かせないものですがあまりに基礎的なためその存在は目立たず、広く一般に認識されていないのが現状です。
道路・鉄道・空港などの大規模な公共事業から身近な土地の造成や上下水道の整備まで、土木・建設工事を行う場合にはあらかじめ対象地の地形や建造物の位置関係を正確に知っておかなければなりません。
これを測量する技術者が専門の国家資格をもつ“測量士”なのです。
ちなみに測量士は測量計画の作成や実施の責任者であり、測量士が作成した計画に従って実際に測量の実務を行うのは同じく有資格者の“測量士補”が担当します。
測量士の仕事は大きく次の三つに分けられます。
一つ目は“土木測量”。
さまざまな建造物や道路を施工する際に必要となるもので、民間の測量業者に発注される仕事の大半が土木測量だとされています。
測量士は測量法にのっとり綿密な測量計画を立てた後、専門的な測量技術を用いて建築予定地の測量を実施し図面を作成します。
建造物の建設条件や性能設計は測量の結果によって決まるため、責任は極めて重大なもののです。
二つ目にあげられるのはその名のとおり地図を作成するための“地図測量”。
航空写真やヘリコプターでの計測などから得られたデータをデジタル加工することで紙の地図だけでなく、Web上の地図やカーナビ、スマートフォンなどのアプリにも活用することができます。
そして三つ目が“地籍測量”と呼ばれる測量。
これは、個人または法人が所有する土地の面積を計測し記録する仕事です。
建物がきっちり立ち並ぶ都市部でも土地と土地との境界はあいまいなケースが多く、その所有権などをめぐり、境界を確定させる必要が生じたときに地籍測量が行われます。
当然、作業の現場は屋外が中心なり繁華街や住宅街などの街中はもちろん、郊外地や険しい山中、河川や海岸などありとあらゆる場所へ出向き、トランシット、光波測距離、GPSといった専門の測量機材を持って歩き回りながら、作業を進めるのが“測量士”の日常です。
人里離れた現場も珍しくなく昼食を摂る飲食店はおろか、一休みする場所を確保することさえままならないといった苦労もあるそうです。
厳しい条件下でも計測ミスはけっして許されず、入念な作業を何度も繰り返すことに耐えうる体力と忍耐力、緻密な注意力や計算能力、手先の器用さ、作業全体を効率よく回せる計画性なども当然求められます。
測量士の仕事はプロジェクトの“ゼロの部分”を担う基礎中の基礎の役割であるため、その重要性のわりに目立ちにくく、一般にあまり認識されていません。
しかしダムや道路、ビルといった建設物はこの先何十年にもわたって人々の命を守り、生活の質を保証し続けるものですので、測量士の仕事というのは現代社会に必要不可欠なものなのです。
近年ではドローン技術の発達によりドローンを利用した測量も普及しつつあります。
興味があれば調べてみてはいかがでしょうか。
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