ヴァイキングの日
「ヴァイキングの日」は793年のこの日、北欧の海賊ヴァイキングの活動が最初に記録に現われたことがその由来です。
ヴァイキングは海賊を表現する言葉ですが、主に800年~1050年ぐらいかけて西ヨーロッパ沿岸部を襲撃した武装船団の事を“ヴァイキング”と呼んでいたそうです。
ヴァイキングの本格的な襲撃が始まったとされているのは793年のことであり、最初の襲撃先はリンデスファーン修道院だったと記録に残っています。
しかし、その前から当時のブリテン諸島やフリースラントへの略奪行為が行われていたとされており、あくまで大規模なヴァイキングとしての活動や記録が残っているのが793年以降ということになります。
現在では日本の沿岸部を航行していても海賊に襲われることはないため海賊という存在自体が過去のもののように思えますが、実際には中東やアフリカではいまだに海賊行為が多発しており、護衛艦がいなければ航行するのが厳しい海域も存在します。
あのヴァイキングの語源
“ヴァイキング”はよくホテルのランチや宿泊時の食事で見かけると思います。
定額の料金を支払えば様々な用意された料理の中から好きなものを好きなだけ食べることができる、いわゆる食べ放題形式のことでとても人気のある方式ですが、この“ヴァイキング”という言葉は和製英語なので日本でしか使用されていません。
ちなみに“ビュッフェ”はバイキングとは少し違って、フランス語が語源の世界中で用いられている言葉です。
様々な用意された料理の中から好きなものを食べ、その分の料金を精算するシステムのため食べ放題ではありません。
言葉からして“ヴァイキング”は“海賊たちの間で用いられていた食事法”と推測した方が多いのではないでしょうか。
1957年、スウェーデンのスカンジナビア航空が、東京ーデンマーク・コペンハーゲン間に航路を開設しました。
その招待旅行に参加した帝国ホテルの犬丸徹三支配人(当時)は、宿泊地のコペンハーゲンのホテルで出された“スモーガスボード”という、スカンディナビア地方の伝統料理に惹きつけられました。
魚料理をはじめ日本人にも合った味覚、豊富なボリューム、好みのものを自由に食べる方式だったそうです。
これは日本でも必ず受けると思い、帰国して翌年の7月、帝国ホテルにスモーガスボード専門のレストランを開きました。
社内公募の結果、店名はかつてヨーロッパ中に勇名をはせた海賊の名に、スカンディナビアの伝統と食べ放題の豪快なスタイルからくるイメージを合わせた“インペリアルヴァイキング”に決められました。
犬丸氏が初めてスモーガスボードを食べた時に、決まったホテルの窓から近くの“ヴァイキング”というホテルが大きく見えたのも、この名前にした理由のひとつという逸話も残っています。
当初の料金は昼1200円、夜1600円(当時は国鉄の初乗り運賃10円、かけそば30円、映画館の入場料150円)と、決してお手軽とはいえない料金にもかかわらず、大変な人気で予約もままならなかったそうです。
その後、インペリアルヴァイキングの“お好みで食べ放題”の方式が世の中に広まり、やがて西洋、中華、日本料理とさまざまな分野で食べ放題の食事を、“ヴァイキング”と呼ぶようになったのです。
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