世界砂漠化防止の日
「世界砂漠化防止の日」は国際デーの一つで、1995年の国連総会で制定されました。
1994(平成6)年のこの日、「国連砂漠化防止条約」が採択され、砂漠化と干ばつの影響と闘うための国際協力の必要性、および、砂漠化防止条約の実施に対する認識を高める日とされています。
砂漠化と呼ばれる言葉が使われていますが、これは乾燥して砂しかないような砂漠気候の「砂漠」を意味するものではなく、元々は植物などで覆われた地が不毛になっていく現象の事を「砂漠化」と呼んでおり、一般的に想像される砂漠というよりは「植物の生育や農業に適さない土地」といった意味合いで使われる言葉となります。
砂漠で一番多い死因は“溺死”
“砂漠”とは周知の通り降雨が極端に少ない地域で、砂や岩石の多い場所のことであり、年間降水量が250mm以下の地域、または降雨量よりも蒸発する水分量が多い地域のことです。
砂漠ではほとんどの植物が生息できず、水分が非常に少ないことから農業には適していません。
そのため人間にとって居住するのは難しい地域です。
また、水分が極端に少ないため昼と夜の温度差が非常に激しく、日中は焼けるような暑さであるにもかかわらず、夜には一気に冷え込みます。
日本人にとって、砂漠というのはあまり縁のない場所かもしれませんが、実は地球の3分の1は砂漠であり、現在も砂漠化は続いているのです。
地球の温暖化、気候による乾燥、土地の荒廃などが原因と言われています。
砂漠での死というと、砂嵐や脱水症状、熱中症、砂を吸い込むことによる病気などが考えられますが、実は一番多い死因は“溺死”だと言われているのです。
というのも砂漠ではほとんど雨が降らず、砂漠の砂や土というのは非常に乾燥しており、ぎゅっと固まって乾ききった状態になっているので、簡単に水を通さない仕組みになっています。
乾ききっている土地に雨が降れば、スポンジのように吸収されるのかと想像してしまいますがそうではありません。
乾燥しきった砂漠の土地では一気に雨が降っても、上記の通り固まってしまっているのでしみ込むのには非常に時間がかかります。
普段乾燥しきっている砂漠で雨が降る時、激しく鉄砲水のように降ることがあります。
そうして大量の雨が降った場合雨は砂漠の砂地に吸収されることなく、元々川だった窪みなどに沿って地表を低地へと激しく流れていくのです。
この元々川があった場所は“ワジ(水無し川・涸れ川)”と呼ばれ、平らで歩きやすいため旅人などはその道を通って歩いていくことも多く、また近辺では地下水脈が利用できることから付近に集落ができやすいとされています。
ワジではその土壌は芯まで乾ききっているので、雨が降っても簡単に水分を通さず、降った雨はワジの深みを伝い低地へ向かって激しい勢いで流れていき、集落や旅人を巻き込んでしまいます。
この水の勢いは激しい大洪水と同じ威力があり、雨が降ってから洪水になるまであっという間なので、簡単に逃げられず、気が付いた時にはもう洪水に飲み込まれていて溺死してしまう人が後を絶たないのです。
砂漠の雨は夕方に降ることが多く、そうなるとワジを伝って洪水が起こるのは人々が寝静まった夜となり避難する暇もない、ということも死亡率を上げている原因と思われます。
2009年には砂漠が広い地域に広がっているサウジアラビアで、106人もの人が洪水によって死亡したというニュースがありました。
もし砂漠で夜を明かさなければならなくなったときは小高い丘の上にテントを張る、などの対策が必要だそうです。
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