世界人口デー
「世界人口デー」は国連人口基金(UNFPA)が1989年に制定した国際デーの一つです。
1987年のこの日に、地球の人口が50億人をこえたことから、世界の人口問題への関心を深めてもらう為に制定されました。
国連は、この日にユーゴスラビア(当時)のザグレブで生まれた男の子を50億人目と認定し、デクエヤル事務総長がかけつけて祝福したそうです。
1999(平成11)年10月12日には60億人を突破し、今も尚毎年約7800万人のペースで増加しています。
世界で最も人口の少ない国
世界で最も人口の多い国は中国であり、その数は約13億8千万人となっています。
次いでインドが約13億2千万人、アメリカが約3億2千万人、インドネシアが約2億6千万人と続いていきます。
これらは知っている方も多いと思われますが、逆に人口の少ない国はなかなか知られていないかもしれません。
公式に認められている国で最少の人口はバチカン市国となり、その人口はわずか千人程度となっています。
バチカン市国はヨーロッパにある国家で、国土面積も世界最小であり(ただし国際連合加盟国のみの場合はモナコになる)、経済指標はイタリアに統合されます。
バチカンはローマ教皇庁によって統治されるカトリック教会と東方典礼カトリック教会の中心地、いわば“総本山”です。
バチカン市国は一切の軍事力は保持しておらず、警察力も永世中立国であるスイスからの傭兵である“市国警備員(スイス人衛兵)”が担当しています。
なお、イタリアからの入国、イタリアへの出国は自由であり、国境線もガードレール風の柵があるだけで国境検問所の類いは一切なく、よって出入国管理体制もありません。
国内は、公開の区域に限り入場は自由で、イメージとしては街中にある教会堂とその敷地に近いものとなっています。
そしてこのバチカンよりも少ない人口を持つ自称“国家”が存在するのです。
それはシーランド公国と呼ばれ、北海の南端、イギリス南東部のサフォーク州の10km沖合いに浮かぶ構造物を領土と主張する自称“国家”であり、その人口はわずか4人となっています。
ただし国連に加盟する193か国、及びバチカン市国の計194か国の中でシーランド公国を国家承認している国はありません。
シーランド公国がうまれた経緯は次のようになります。
かつてイギリスは第二次世界大戦中、沿岸防衛の拠点として4つの海上要塞と多数の海上トーチカを建設しました。
シーランド公国が領土と主張している“フォート・ラフス”は、最も北に位置していた海上要塞であり、1942年から建設されたものです。
イギリス沖10kmの北海洋上、ラフ・サンズと呼ばれる砂堆の上に、大きな柱が二本ある巨大な構造物(ポンツーン)を沈め、海上に突き出した柱の上に居住区や対空砲台などが作られていたもので、戦時中は150から300人ものイギリス海軍兵員が常時駐留していましたが、大戦終了後に要塞は放棄されました。
1967年9月2日に元イギリス陸軍少佐で海賊放送の運営者だったパディ・ロイ・ベーツは、イギリス放送法違反で訴えられます。
彼は当時イギリスの領海外に存在したこの要塞に目をつけ、不法占拠した上で“独立宣言”を発表、要塞を“シーランド”と名付け、自らをロイ・ベーツ公と名乗りました。
イギリスは強制的に立ち退かせようと裁判に訴えましたが、1968年11月25日に出された判決では、シーランドがイギリスの領海外に存在し、またイギリスを含めて周辺諸国が領有を主張していなかったことから、イギリス司法の管轄外とされています。
こうして生まれた世界一人口の少ない“自称”国家ですが、爵位や騎士団の称号なども販売されており、西川きよしや三村マサカズなどがテレビの企画で称号を購入し、シーランド公国の貴族となっています。
シーランド騎士団はインターネットで加入権を販売されていますが、活動の実態などはありません。
もし興味があれば購入してみてはいかがでしょうか。
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