漫画の日
「漫画の日」は1841年のこの日、イギリスの絵入り諷刺週刊誌『パンチ』が発刊されたことが由来です。
1992年に終刊になるまで151年間発行されており、日本では1862(文久2)年に日本語版の『ジャパン・パンチ』が刊行されています。
また7月17日以外にも手塚治虫の誕生日である11月3日と命日である2月9日についても「漫画の日」となっています。
日本最古の漫画
“漫画”という言葉は、字義的には“気の向くままに漫然と描いた画”という意味です。
語源は、よくわかっていませんが、随筆を意味する漢語“漫筆”が“漫筆画”を経て“漫画”になったとする説と、“漫画(まんかく)”という名のヘラサギに由来するとの説があります。
江戸時代には、山東京伝(『四時交加』、1798年)や浮世絵師の葛飾北斎(北斎漫画初版、1814年)の作品の序文や題名で、用語“漫画”が“絵による随筆”、“戯画風のスケッチ”という意味で使用されています。
滑稽な絵という意味での“漫画”は、平安時代の絵巻物・『鳥獣人物戯画(鳥獣戯画)』が日本最古であると言われています。
他にも絵巻物には漫画的な表現がみられるものも存在し、『福富草子』という主人公が屁芸で成功する話では、直接台詞が人物の横に書かれるいわゆる“フキダシ”に近いものがあります。
また『信貴山縁起絵巻』では一枚絵で場面転換をしており、絵巻物の文化自体が“現代の漫画”に似た要素を含んでいるのです。
その後18世紀初頭には商品としての戯画が流通するようになり、19世紀には戯画的な浮世絵も生まれ、その背景には印刷技術の発達と町人文化の興隆があるとされています。
ヨーロッパにも影響を与えた葛飾北斎の『北斎漫画』は特に有名です。
この中には鼻息を表す線が描かれるなど、現代で言う“漫符(感情や感覚を視覚化した漫画ならではの符号)”の古い形が既に見られます。
ですがこれ自体は葛飾派の弟子達の絵手本として描かれた物の為、江戸の漫画というのには誤解があるといえます。
また、歌川広重、幕末の歌川国芳ら多くの浮世絵師達が戯画を描いています。
それらの戯画の中に風刺的なものがありますが、その絵を役人に誉められて喜んだという話もあり、本格的な風刺ではなくあくまで娯楽の部分が強かったとされているようです。
絵に文が添えられた滑稽な読み物としては、江戸時代の草双紙の内“黄表紙”と呼ばれたものがあります。
例えば『金々先生栄花夢』での夢を見るシーンで使われている、いわゆる“フキダシ”などは現代の漫画にも通じる技法です。
また、十返舎一九は当初一人で絵と話を作っていましたが、次第に原作者に専念するなど、現代漫画における原作者と作画家においての関係に近いものがすでに確立されていました。
これらは、鳥羽僧正の名にちなんで“鳥羽絵”(主に手足の細長いデフォルメされた人物を描く)、または“大津絵”、“狂画”などと呼ばれており、それらの呼称は近代に入っても引き続き使われていきます。
漫画は現代日本が世界に誇る文化の一つですが、昔から日本人の内面には漫画と深く結びつくなにかがあったような気がしますね。
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