上水道の日
「上水道の日」は1887(明治20)年のこの日に、横浜の市街地へ日本初の近代的上水道による給水が開始されたことが由来です。
英国人技師であるパーマー氏の設計指導により、相模川から野毛山の貯水地へ引水し市街地へ給水するものでした。
地球で飲料用などに使える水は0.1%もない
“上水道”とは一般に飲用可能な水の公共的な供給設備一般を指すもので、単に“水道”という呼び方もあり、下水道や中水道などとの区別を強調する場合に上水道と呼ばれることが多いです。
水道のルーツは古代地中海沿岸諸国とされ、当初は深いところにある井戸の水を遠くに運ぶための水路であったと考えられ、古代ローマ人は後世に“ローマ水道”と呼ばれることになる巨大な水道ネットワークを構築しましたが、中世以後衰退してしまいます。
水道の近代化は1787年のパリで蒸気式揚水用ポンプが使われ、1829年にロンドンで砂ろ過池による浄水設備の設置以降のことであり、鉄製パイプによる水道管の開発など19世紀のヨーロッパで急速に発達しました。
日本では、16世紀半ばに北条氏康の小田原支配時に早川から水を引き、小田原城下に飲用として供した小田原早川上水が最古の水道と考えられています。
豊臣秀吉の小田原征伐に参陣した諸大名たちは、この上水を見て自領の上水開設の参考にしたものと考えられており、徳川家康もその一人で、1600年頃の江戸の都市建設のために井之頭池から引いた神田上水をはじめ、多くの水道を整備します。
現代の感覚から見れば、浄水施設や各戸給水がないという問題点があったものの、当時世界でもっとも進んだ設備を有していたのです。
そして近代水道が発達した今日では、日本では毎日蛇口をひねれば水が出て、安全できれいな水を飲むことができます。
トイレやお風呂も使いたいときに使用することができ、洗濯や料理にも水は欠かすことができません。
安全な水を好きなだけ使うことができるので日本人は水を特別なものとは感じませんが、これはかなり特殊な例なのです。
地球は青く見える見た目の通り水で覆われている惑星です。
地球の75%が水で覆われていますが、そのうち97.5%が海水で真水(淡水)は残り2.5%に過ぎず、さらに真水のうち70%が氷で残りの30%が地下水になります。
これらの中で汚染されていない水はわずか1%以下で、この水のうち70%が農業、22%が工業に利用されており、最終的に飲料水などとして使える生活用水はたったの0.08%だけなのです。
水は無限の資源とも見えますが、飲める水というは実は極めてわずかに過ぎません。
しかもこの貴重な水は、世界中の人々が平等に使えるわけではありません。
現代社会で私たちは一日に300L以上も使っているとされていますが、生きていくのに必要な水は一日約2L程度です。
しかしこのたった2Lの水が手に入らない人が世界では9億人もいることをご存知でしょうか。
発展途上国では水不足、衛生状態が悪い水の飲用などで、少なくとも毎年数億人の子どもたちが病気にかかっており、90秒に1人が水に関連した病気で亡くなっています。
この問題は今すぐ私たちが解決できる問題ではありませんが、きれいな水が普通に使えるというのもとても恵まれた状況であることを認識し、少しでも無駄にしないよう心がけるのは大切なことだと思います。
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