ファイバーの日

食物繊維は炭水化物に分類されますが、糖質ではなく腸で消化もされません。

かつては人間が食物繊維を体内でエネルギー源として利用できないことから、栄養にはならない、役に立たない成分として注目されていませんでした。

ところが1960年代に入り、アフリカ人に大腸がんが少ないということが発覚したことから研究が進み、食物繊維の効能が徐々に明らかになってきます。

食物繊維には大きく分けて水に溶けない“不溶性食物繊維”と、水に溶ける“水溶性食物繊維”の2つに分けられます。

“不溶性食物繊維”は水には溶けず、大腸で水分を吸収して便のカサを増すという働きがあります。

また、不溶性食物繊維が入っている食品は噛みごたえがあるので、咀嚼回数が増えて満腹中枢が刺激されやすい、つまり食べすぎを予防して肥満を予防するというメリットもあります。

“水溶性食物繊維”は水に溶けるので食べると胃の中で水分を含んで膨張し、少量の食事でも水溶性食物繊維と一緒に食べると満腹感を得やすくなります。

そしてゼリー状になって他の食べ物と混ざり合い、腸までゆっくりと進んでいきます。

腸では栄養の吸収に時間がかかるので、血糖値の急上昇を抑えることになるのです。

ですが“過ぎたるは、なお及ばざるが如し”というように、食物繊維の過剰摂取は腸内細菌のバランスが悪くなり、逆に便秘が悪化したり、健康への悪影響を及ぼす可能性があります。