はんこの日

イメージ_印鑑

「はんこの日」は「は(8)んこ(5)」の語呂合せで、山梨県甲府市の印判総合商社・モテギ株式会社が制定しました。

「はんこの重要性をPRすること」がその目的で、この日には全国の印象業者に呼びかけて「はんこの日」のPR活動を行っているそうです。

またこの日とは別に、10月1日が全日本印章業組合連合会が制定した「印章の日・ハンコの日」となっています。

判子と印鑑は厳密には違うもの

“はんこ(判子)”とは、木、竹、石、角、象牙、金属、合成樹脂などを素材として、その一面に文字やシンボルを彫刻したもので、個人・官職・団体のしるしとして公私の文書に押して特有の痕跡(印影・印痕)を残すことにより、その責任や権威を証明する事に用いられ、印(いん)、判(はん)、印判(いんはん)、印形(いんぎょう)、印顆(いんか)、印信(いんしん)、印章(いんしょう)など様々な呼び方があります。

ばしば世間一般では、正式には印章と呼ばれるもののことをはんこ、印鑑(いんかん)と呼んでいますが厳密には印章あるいはハンコと同じ意味で“印鑑”という語を用いるのは正確ではありません。

古くは、印影と印章の所有者(押印した者)を一致させるために印章を登録させ、この印影の登録簿を指して印鑑と呼んだのです。

転じて、印鑑登録に用いた印章(実印)を特に印鑑と呼ぶこともあり、更には銀行印などの登録印や、印章全般もそのように呼ぶ場合もあります。

このように厳密には違うものの現在では特に区別されておらず、同じ意味で使われることが殆どです。

日本では西暦57年ごろに中国から日本に送られたとされ、1784年に九州で出土した“漢委奴国王”の金印が日本最古のものとされています。

ただし当時の日本ではまだ漢字が知られておらず、印章を使う風習もなかったため、漢委奴国王印が実際に印を押す用途で使用されたかどうかには懐疑的な意見もあるそうです。

日本の文献に残る最古の記述は“日本書紀”のもので、692年には持統天皇へ木印を奉ったという言及があり、なお“日本書紀”にはそれ以前にも、紀元前88年頃に崇神天皇が四道将軍に印を授けたという記述がありますが、これについては後世の脚色と考えられています。

日本において印章が本格的に使われるようになったのは、大化の改新の後、701年の大宝律令の制定とともに官印が導入されてからであるとされています。

当時の日本における印章の用法は、隋・唐における用法が模範となったものの、それ以前の中国での歴史的用法は伝播しなかったため、中国とは趣を異にするものとなりました。

律令制度下では公文書の一面に公印が押されていましたが、次第に簡略化されるようになり、平安時代後期から鎌倉時代にかけては花押(意匠化された署名)に取って代わられます。

しかしながら、室町時代になると宋から来た禅宗の僧侶たちを通じ、書画に用いる用途で再び印章を使う習慣が復活することとなり、武家社会へと伝播していくのです

戦国時代には花押にかかる手間を簡略化するため、大名の間で文書を保証する用途に、略式の署名として印章が使われるようになりました(織田信長の“天下布武”の印など)

江戸時代には行政上の書類のほか私文書にも印を押す慣習が広がるとともに、実印を登録させるための印鑑帳が作られるようになりこれが後の印鑑登録制度の起源となります

江戸時代の日本における印章は命の次に大事なものに例えられるなど、庶民の財産を保証するものとして非常に重く扱われるようになり、日本独自の印章文化が確立しました

明治政府は印章の偏重を悪習と考え、欧米諸国にならって署名の制度を導入しようと試みたそうですが、事務の繁雑さや当時の識字率の低さを理由に反対意見が相次ぎ、以後の議論の末、1900年までにほとんどの文書において自署の代わりに記名押印すれば足りるとの制度が確立します

また、印鑑登録制度が市町村の事務となったのも明治時代です。

最近では外国人にも密かな人気があるものですので、もし外国人の知り合いにプレゼントすると喜ばれるかもしれませんね。

 


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