山の日
「山の日」は山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する国民の祝日で、2014年に「山の日」を制定する祝日法改正法が可決され、2016年から施行されます。
「海の日もあるなら山の日も」ということで制定運動が起こり、最初はお盆前の8月12日とする予定でしたが、日航123便墜落事故と同じ日であるとして反対され、8月11日とされました。
8月11日という日付に特に意味はないようです。
富士山で炊くご飯はおいしくない
“山”とは周囲よりも高く盛り上がった地形や場所のことをいい、平地と比べて傾斜した地形から成るもので、また地形学では丘陵や台地よりも高度や起伏が大きいものを指します。
山は、大陸移動(プレート移動)に伴う褶曲や断層運動、隆起、火山活動などの地理的要因により形成され、このうち最も大規模な山岳形成はプレート移動によってなされるもので、世界の2大造山帯であるアルプス・ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯はいずれもプレート移動により形成されたものです。
アルプス・ヒマラヤ造山帯に属するヒマラヤ山脈やアルプス山脈は、かつて2つの大陸プレートに挟まれた浅い海でしたが、大陸プレート同士の衝突により地面が押し上げられて成立しました。
環太平洋造山帯は太平洋プレートが各大陸プレートに沈み込みを起こして形成されるものであり、その名の通りアンデス山脈やロッキー山脈、日本列島など太平洋を取り囲むようにして大山脈が連続する形になっています。
これらのような山の成立過程を造山運動と呼びます。
山の気候は平地と大きく異なり、山では気象が変化しやすくなり、風も強く、降水量も多くなりますが、これは山は起伏が激しいためその暖かい空気と寒い空気が混じりあい、雲が発生しやすいためです。
また、標高が100m上昇するごとに気温は0.6度(摂氏)低くなるとされており、そのため、標高が高くなれば植生や生態系も異なってきます。
標高が上がるにつれて植生はより寒冷に適応したものとなっていくため、山麓の低地が熱帯であるのに山頂の植生が温帯性や冷帯性を示したり、さらには森林の生育できる温度を下回ってしまいツンドラや氷河が広がっているということもあり得ます。
例として、ほぼ赤道直下にあるキリマンジャロ山においては、山麓の標高1,900mくらいまではサバンナが広がっているのに対し、標高2,500m程度までは熱帯雨林、3,000m付近までは雲霧林となり、それより上になると森林限界を迎えてしまうため樹木が生育できず、まばらな低木や草原が広がるようになります。
さらに4,400m以上では植物の生育が不可能になり、5,500m以上では赤道直下にもかかわらず氷河が存在するのです。
日本国内では、最高峰は富士山(標高3,776m)であり、対して最も低い山は仙台市の日和山(標高3m)であるとされていますが、山の定義や地形学的分類あるいは地図作成測量により捉え方は様々であり、最も低い山の決定が難しいようです。
近年は登山ブームもあり、その楽しみの一つに山頂での食事があるのは間違いないと思います。
自作のおにぎりやサンドウィッチなら格別だし、コンビニ弁当や山小屋の弁当ですら、何かとても贅沢に感じてしまうのは、登頂後の達成感と山頂での開放感とロケーションによるものでしょう。
ましてや日本最高所の富士山頂で食べるということなら、それだけで気分が高揚して普段の何倍も美味しく感じてしまうのも当然です。
また、コッヘルや携帯ガスコンロで調理をしている人も多く、アウトドア志向が高まっている昨今では、どこの山でも当たり前のような光景になってきています。
ですが富士山頂ではご飯を上手く炊くのが難しいということをご存知ですか?
富士山頂は海抜3,776m、気圧は平地の3分の2程度の約640Phしかなく、この気象条件下では水が沸騰する温度も下がり、100℃ではなく88℃で沸騰するのです。
普通に飯ごうでご飯を炊いても、芯が残って半生となってしまい美味しく炊けません。
お湯がすぐに蒸発してしまうことも原因の一つのようです。
圧力鍋を使えばこの問題も解消されるのですが、登山としての装備に相応しいかどうかは疑問が残りますね。
世界中では年間700万人が登山を楽しむそうですが、そのうち260万人が高尾山を訪れます。
高尾山は標高599mと低いので登りやすく、東京一高い所にあるビアガーデンがあります。
もし登山に興味があれば手軽に始められる高尾山あたりから挑戦してみてはいかがでしょうか。
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