ハイジの日

イメージ_アルプス

「ハイジの」は「ハ(8)イジ(12)」という語呂合わせで、「アルプスの少女ハイジ」の著作権などの管理を行っている株式会社サンクリエートが制定しました。

株式会社サンクリエートによるとこの日を「アニメーションのキャラクターとして絶大な人気を誇るハイジの魅力を多くの人に伝える日」としているそうです。

アルプスの少女ハイジは現在でもその名を知らない人はいないほど有名な作品であり、現在ではアニメが放送されている訳ではありませんが、アルプスの少女ハイジを題材としたCMが放映されています。

アルムおんじの壮絶な過去

“アルプスの少女ハイジ”とはヨハンナ・スピリの小説『アルプスの少女ハイジ』を原作として1974年(1月6日〜12月29日)に放送されたズイヨー映像制作の日本のテレビアニメ(全52話)です。

1979年3月17日より、ダイジェスト版が劇場映画として公開されました。

原作は上記の通りスイスの作家ヨハンナ・スピリが1880年に同名で出版した小説ですが、2010年にドイツの文学研究者ペーター・ビュトナーが同じくドイツの作家であるヘルマン・アーダム・フォン・カンプが1830年に発表していた『アルプスの少女アデレード』に酷似していると指摘した事から、当時スイスの新聞では盗作と報じて大きな問題となった経緯があります。

全体的には、おおよそ原作に忠実なのですが原作では“信仰心の大切さ”がテーマとなっているのに対し、アニメ版では宗教色はほとんど出していないとのことです。

物語のあらすじは次の通りになります。

小さい頃に両親を亡くしたハイジは母方のおばさんであるデーテに育てられますが、ハイジが5歳の頃におばさんの仕事の都合で父方のおじいさんであるアルムおんじに預けられることになります。

ところが、ハイジが8歳の春に突然デーテおばさんがアルムを訪れ、おばさんの指示で騙されているとも知らないハイジは、フランクフルトの貿易商・ゼーゼマン家に行ってしまいます。

そこには足の不自由な少女・クララやその家族がいるのですが、厳しいしつけや勉強が待っていたのです。

しかし、ハイジはアルムの大自然や優しいおじいさんを想うあまり、ホームシックにかかり、夢遊病者のようになってしまうのですが、それを診察したクララの主治医の強い指示により、夢にまでみたアルムの山に戻る事を許されます。

そして、元気に過ごすハイジのもとにクララからアルムで静養をしたいとの手紙が届き、静養を目的として一緒に暮らすことになり、ハイジやアルムおんじに促されて歩行訓練の練習も始めるようになり、物語は進んでいくのです。

度々登場するハイジのおじいさんであるアルムおんじですが、実はかなり壮絶な過去を持っているのです。

アニメのなかでは主人公ハイジの祖父で、山小屋に一人で暮らしている何となく気難しくて近寄りがたいイメージなですが、本来は凄く優しくて村で暮らす人々をあたたかく見守る良い人物という設定です。

ですが若い頃はとても気性が荒く、周りの人に当たり散らして酒浸りの生活を送っていたというのです。

そんな性格があだになったのか、元々は大農場のせがれとして生まれた金持ちだったのですが、いかがわしい仲間と付き合い始め、賭博に熱中するあまり家から土地まで全財産を巻き上げられてしまいます。

これが原因となっておじいさんの両親はあえなく亡くなります。

土地を追われたアルムおんじは、泣く泣く故郷を離れナポリで兵隊(外国の傭兵)となったものの、やはり荒くれた性格は治らず、些細なケンカが原因となり人を殺してしまったのです。

このエピソードが原作の中にも書かれていますが、デーテおばさんが聞きつけた噂という形であり事実かどうかは書かれていません。

そしてそのまま軍隊を脱走し、人目を避けながら15年ほど過ごし、結婚もするのですが奥さんは病気で亡くし、ハイジの父親となる息子も事故で亡くします。

息子の嫁、つまりハイジの母親もそのショックで身体を壊し亡くなってしまいます。

あまりの不幸続きに嫌気がさしたおじいさんは、ついに街を捨ててアルプスの山の中での生活を選ぶのでした。

あの厳しくも優しそうなおじいさんにこのような過去があったことは、あまり知られていません。

興味がある方は日本語訳の版本が過去様々なタイトルで100種類以上出版されていますので、一度原作の方を読んでみるのもいいのではないでしょうか。

 


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