国際生物多様性の日

“清水寺”は京都市東山区清水にある北法相宗の総本山で“せいすいじ”や“きよみでら”とも呼ばれています。

延暦 17 (798) 年、坂上田村麻呂によって創建された清水寺は、建築後幾度となく焼失し、現在のものは江戸時代初期の1633年に再建されたものです。

本堂だけで計168本もの柱が使われており、高さ13m、広さ100畳の清水の舞台は、18本のケヤキの巨木で支えられています。

清水寺では2000年に33年に一度の御本尊の御開帳がありました。

その時になにか後世に残せることをと考え付いたのがケヤキの苗木を植えることで、実際に山を購入し6000本のケヤキとヒノキを植樹しましたが、これには理由があります。

一般的に樹木が、建築材として使用できるようになるには、およそ針葉樹で40～60年、広葉樹で150年～200年かかると言われていますが、清水の舞台には、樹齢400～500年のケヤキの大木が必要だそうです。

というのもケヤキ材の耐久年数は長く保って樹齢の2倍程度だといわれ、現在清水寺で使用されている柱は樹齢400年程度のものなので、約400年後に大規模な改修が想定されてるからです。

現在の清水寺が再建された江戸時代には樹齢の長い大木を入手できましたが、現在の日本国内でそのような木を確保するのは困難であり、このままでは改修ができないこともありえます。

つまり清水寺は400年後の寺の大改修に備えて木を植え、大切に育てているのです。

ですが実際に改修に使えるまでに育つものはわずか1割程度といわれています。