サイクリングの日
「サイクリングの日」は1964年のこの日、日本サイクリング協会が文部大臣から設立認可を受けたことから、同協会が2009年4月に制定しました。
「サイクリングに対する関心と理解を得る」という目的だそうです。
自転車の起源
今でも現代人の移動手段やレジャーとして欠かせない自転車、その歴史は以外と新しいものだったりします。
原理が単純なので昔からあるように思えますが、“自転車”と呼べるものが誕生してからは僅か200年ほどしか経っていないのです。
自転車の起源には諸説あり、どれが正しいのかは立証されていませんが、ヨーロッパが起源なのは間違いないようです。
1813年、ドイツのカール・フォン・ドライス男爵が“ドライジーネ”と呼ばれた木製のベロシフェールにハンドルを取り付け、走りながら曲げられる足蹴り式の二輪車を発明しました。
現在ではこれが自転車の発明とされています。
当時の記録として、ドライジーネは37kmを2時間30分で走っており、これは時速15km/hに相当するかなりのスピードになります。
イギリスのリチャード・トレビシックは1801年に蒸気自動車を製作し、1804年には蒸気機関車を発明していますが、この事から分かるように、自転車は蒸気機関車よりも遅くに生まれたものなのです。
1839年スコットランドで鍛冶屋を営んでいたカークパトリック・マクミランが、鍛冶の技術を利用して鉄製の“ベロシペード”を発明します。
蒸気機関車と同じ梃(てこ)の原理の駆動回転を利用したペダルを踏み込んで進むこの新しい方式を採用したため、足蹴り方式と比較し走行スピードは大幅に上昇したそうです。
ベロシペードはラテン語で“早足”を意味し、現在フランスでは自転車を“ベロ”と呼びます。
1863年、フランスのピエール・ラルマンがベロシペードを改良し前輪にペダルとクランクを取り付け、現在では子供が乗る三輪車と同じ駆動方式を発明しました。
この発案をフランスのミショー親子が工場を設立し量産化に成功させ、1867年には1年間で約1,000台を生産し“ミショー型ベロシペード”として普及しましたが、乗り心地の悪さからイギリスでは“ボーンシェイカー(骨揺り)”と呼ばれました。
ミショー型ベロシペードによって、新しい二輪車の乗り物は世間で認知されることになります。
ベロシペードではペダルを1回転すると前車輪が1回転しますので、速く走ろうとすると前車輪の直径を大きくしペダルの回転数を増加させねばなりません。
1870年頃になると、イギリスのジェームス・スタンレーが直径約1.5mに巨大化した前車輪のベロシペードを考案し“オーディナリー(日本ではダルマ自転車)”と呼ばれました。
ハイスピードを追求し前車輪を大きくしても乗る人間の負担が大きく、またサドルの位置が高くて安定性が悪く乗りこなすのに大変苦労したそうです。
オーディナリーはアメリカでは“ハイホイーラー”、イギリスでは前輪を大きな1ペニー硬貨、後輪を小さな1/4ペニー硬貨(ファージング)にたとえ“ペニーファージング”と呼ばれました。
1879年にイギリスのローソンが前ギアと後ギアをチェーンで結ぶ駆動方式を発明します。
この方式を利用して1885年にジェームス・スタンレーの甥のジョン・ケンブ・スタンレーが“ローバー型安全自転車”を発売し“セーフティバイシクル”と呼ばれこれが現在の自転車の原型となるのです。
オーディナリーとセーフティは優劣を競い合いましたが、安全性、スピード、走行性能などいずれの面でオーディナリーは劣りやがて消滅しました。
そして“BICYCLE”の語が商品名として登録されたのは1869年で、この頃から自転車をバイシクルと呼ぶようになったと考えられています。
バイシクルは普通名詞ではなく誰かが作った造語で、2個の回転部分を意味しているそうです。
1888年、アイルランドのジョン・ボイド・ダンロップが空気入りタイヤを発明します。
これによって自転車の乗り心地とスピード化が格段に向上し、自転車は急速に進歩しました。
ダンロップは獣医でしたが、牛を治療した際に腸にガスが充満している様子からヒントを得たそうです。
現在も多種多様な自転車が存在し、コンピュータ制御など今もなお進化を続けています。
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